春から初夏は重症化に注意、整形ドクターがアドバイス 「うなじ首こり」の原因と対策

「うなじ首こり」原因とメカニズム

多くの人が悩まされる「肩こり」。パソコン業務量の増加や、スマートフォン利用時間の増加など、さらに肩こりのリスクは上がっていると言えます。また、肩こりを訴える方の多くは同時に「首こり」も感じています。
デスクワーク等うつむく姿勢が長くなりがちな“働き女子”に特に注意が必要なのは、首のうなじ部分(首の後ろ中央)がこってしまう「うなじ首こり」です。ピップの調査※1では首のこりに悩む男性が4割に対し、女性は7割弱という結果に。そこで「うなじ首こり」の原因と対策、この季節に重症化しやすいメカニズムについて稲毛病院 整形外科/健康支援科部長 佐藤務先生に伺いました。

※1 ピップ調べ 2017年8月(20~79歳男女 n=4939)

稲毛病院 整形外科・リハビリテーション科/ 健康支援科部長 産業医
佐藤 務先生

1963年、埼玉県志木市生まれ。1990年、国立宮崎医科大学卒業後、都内民間病院にて内科、外科、整形外科、リハビリテーション科、麻酔、ペインクリニック、救急、漢方、鍼灸、在宅医療を研修。1995年、稲毛病院整形外科入職。1996年に漢方肥満外来、1997年にビタミン外来、2000年に健康支援科を新設。専門は整形外科だが、予防から在宅医療まで総合医療を展開。栄養学を基本とするダイエットやサプリメントの研究を行い、その知識と指導力は各界で支持されている。昭和大学医学部統合医学科講師。健康スポーツ医。日本医師会認定産業医。

女性の首は男性より平均5cm細い。筋肉が少なく可動域が広いため酷使されやすく「うなじ首こり」のリスクが高い

佐藤先生は、肩こりを訴える患者さんを診察すると、実際は肩だけでなく首のこりも併発していると指摘しています。「肩こりや首こりは女性の方がなりやすいのは事実です。その理由は、首の特徴の違いにあります。
首は、重さが6~8キロもある頭を支え、上下左右に屈伸・回旋など複雑な動きをコントロールしています。女性の首は、男性と比較すると5~6㎝も細く、男性に比べて少ない筋肉で重い頭を支えています。血流量は筋肉量に比例するため女性は血流が少なく滞りやすいという特徴があります。

日本の首の方が男性に比べ細い

※ 経済産業省「人間特性基盤整備事業(size-JPN)(2004~2006年実施)
  (委託先:社団法人人間生活工学研究センター)」より作成

さらに、女性は男性よりも首が細長いため、筋肉の負担も増え、長時間同じ姿勢でいた時の影響も大きくなります。日本の働く女性は、デスクワークの時間が長いということもわかっています。長時間同じ姿勢でいると、肩や首の周辺の筋肉を動かさないため、筋肉の緊張状態が続き、筋肉内の血流が悪くなります。このように『細くて長い』という女性特有の首の特徴が、首のこりを起こしやすくしているのです」と解説しています。

女性の首の方が男性に比べ長い

レントゲンでは平均的な男性が頚椎7つのうち5から6番位までしか見えない方が多いのに対し、女性は7番、さらに第1胸椎まで見える方が多く、身体に対するバランスとして首が長いと言える。(佐藤先生提供)

3カ月で平均気温が11℃も変化、激しい寒暖差が血行不良を誘発!

2017年では3月から5月の3カ月間で、平均気温は11.5℃も上昇しています。この期間は日中の気温差も年間を通じて大きくなりやすい時期でもあります。「急な気温の変化で、自律神経が乱れ、血流が悪くなります。血流が悪くなると筋肉が硬直し、首にある血管や末梢神経を圧迫。さらに血行不良が起き、首のこりを引き起こしやすくなるのです。首は血管が皮膚に近いために外気の影響を受けやすく、かつ全身の血流と関係しています。激しい寒暖差が集中する春から初夏にかけては、こりを起こしやすい環境といえます」と佐藤先生は注意喚起しています。

月別の平均気温差グラフ 3から5月の3ヶ月で11.5℃平均気温が上昇!

日中の気温差10℃以上のグラフ 10℃以上気温差がある日は春に集中している!

※ 気象庁 2017年気温データより作成

気がついたときに早めの確認を!「うなじ首こり」セルフチェック法

首のこりは医者に行くほどのことではない、と侮ってはいけません。佐藤先生は「放置しておくと全身に影響を及ぼし、頭痛や腕のしびれや痛みを引き起こすこともあります。ピップの調査では、頭痛を感じている人は約5割、腕の痛み・だるさを感じている人は2割以上いますが、これが重症化へのサインです」と注意を促します。
「基本的に、首を上下左右に動かし、特に上を向くときに首から上肢にかけて違和感があれば、既に首こりの危険があります」と解説しています。

デスクでもできる簡単「うなじ首こり」セルフチェック法 1.アゴを上にあげ、上を向いて首をそらせる ※無理せずゆっくりとあげる 2.左下に向かって首を使いながら、頭をゆっくり移動させる 3.アゴを引き、真下まで回す 4.右上に向かって回転し、最初の位置まで戻る

寒い季節に日常生活で行っている動作も意外に注意が必要

ドライアイ対策で目薬をさす、カゼ・インフルエンザ予防のうがいなど、寒い季節に健康のために行っている動作も意外と注意が必要です。上を向く時に首に負担がかかるので、違和感があれば「うなじ首こり」の危険があります。他にも日常生活の中で、美容院のシャンプー台やうつ伏せで読書をする姿勢も上向きの姿勢が続くため、違和感があれば注意が必要です。

ドライアイ対策に目薬をさす カゼ・インフルエンザ予防のうがい

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